帯状疱疹(たいじょうほうしん)
目次
帯状疱疹とは
帯状疱疹は、水ぼうそう(水痘)と同じ「水痘・帯状疱疹ウイルス」が、体内で再活性化して起こる皮膚疾患です。
体の左右どちらか一方に、神経の走行に沿った痛み(ピリピリ・チクチク・ズキズキ)と、赤い発疹や水ぶくれが帯状に出るのが特徴です。
水ぼうそうが治った後もウイルスは神経節に潜伏し、免疫力が低下すると再び活動して発症します。
原因(なぜ起こる?)
原因は水痘・帯状疱疹ウイルスですがその発症の引き金として、次のような要因が関与します。
- 加齢(特に50歳以上で増える傾向)
- 疲労・睡眠不足
- 強いストレス
- 風邪などの感染症後
- 糖尿病・がん・膠原病などの基礎疾患
- 免疫を抑える治療(ステロイド内服、免疫抑制薬、生物学的製剤、抗がん剤など)
「自分は健康だから大丈夫」とは限らず、忙しさや体調不良が続く時期に発症することもあります。
症状
初期症状(皮疹が出る前)
皮膚症状より先に、次のような症状が出ることがあります。
- 体の片側だけの違和感、痛み
- 触れると痛い、衣類がこすれて痛い
- かゆみ、ヒリヒリ感
- 倦怠感、微熱 など
この段階では他の病気と区別が難しく、数日して発疹が出て初めて疑われることもあります。
皮膚症状(発疹〜水ぶくれ)
- 痛みの部位に一致して赤い発疹が出る
- 数日で水ぶくれ(水疱)が混在する
- 痂皮(かさぶた)になり、通常は数週間で治癒へ向かう
帯状疱疹はうつる?
帯状疱疹は、体内に潜伏していたウイルスの再活性化で起こるため、帯状疱疹が他人に「帯状疱疹」としてうつることは基本的にありません。
ただし、水ぶくれの中にはウイルスが含まれるため、水ぼうそうにかかったことがない人が触れると、水ぼうそうとして感染する可能性があります。
特に注意したい方
- 乳幼児(未罹患・未接種の場合)
- 妊婦
- 免疫が低下している方(治療中の方など)
感染を広げないためのポイント
- 水ぶくれがある間は患部を覆う
- 触れた可能性があるときは手洗い
- タオル等の共有を避ける
※すべて痂皮化した後は感染性は低下します。
受診の目安
帯状疱疹は早期治療が重要です。次に当てはまる場合は早めに受診してください。
- 片側だけに痛みがあり、発疹や水ぶくれが出てきた
- 痛みが強く、眠れない・日常生活に支障がある
- 顔(特に目の周り)に症状がある
- 免疫を抑える治療中/基礎疾患がある
- 高齢の方で急に痛みと皮疹が出た など
診断(皮膚科で行うこと)
診断は、皮疹の分布(片側性・神経に沿う)と水疱の所見、痛みの経過などから総合的に判断します。
必要に応じて、水疱内容などを用いた検査を行うことがあります。
治療
治療の中心は抗ウイルス薬です。発疹が出てからできるだけ早く治療を開始することで、皮疹の広がりや痛みを軽減し、合併症のリスクを下げることが期待されます。
主な治療
- 抗ウイルス薬(ウイルスの増殖を抑える目的で使用します)
代表的な薬剤には、以下のようなものがあります。
– アシクロビル
– バラシクロビル
– ファムシクロビル - 鎮痛薬
- 神経痛に対する治療(痛みの性質・強さにより選択)
帯状疱疹の痛みは神経に沿って起こるため、一般的な鎮痛薬に加えて、神経痛に対する薬剤を使用することがあります。
代表的な薬剤としては、プレガバリン(リリカ)などがあり、痛みの性質や強さ、全身状態を考慮して医師が判断します。
症状が強い場合や、免疫力が低下している方では、点滴による抗ウイルス薬治療や、他科(眼科・耳鼻科・ペインクリニックなど)との連携が必要になることがあります。
※治療は症状の重さ、年齢、腎機能、基礎疾患などを踏まえ医師が判断します。
合併症(後遺症)
帯状疱疹後神経痛(PHN)
皮疹が治癒した後も、痛みが3か月以上続く状態を帯状疱疹後神経痛(PHN)といいます。
高齢の方、初期の痛みが強い方、治療開始が遅れた場合などで起こりやすい傾向があります。
眼・耳の合併症
顔に症状が出る場合、目や耳に影響が及ぶことがあります。
目の周りの発疹、視界の異常、強い頭痛、耳の症状がある場合は、早急に受診が必要です。
予防(ワクチン)
帯状疱疹はワクチンで予防が可能です。ワクチンには複数の種類があり、接種回数や接種条件が異なります。接種希望の方はご相談ください。
川崎市(中原区を含む)の補助制度(概要)
川崎市では、帯状疱疹ワクチンの**定期予防接種(公費負担制度)**を実施しています。
一定の年齢に該当する方などは、自己負担を軽減して接種できる場合があります。対象・自己負担額・手続きは年度ごとに定められるため、最新情報は川崎市の公式情報をご確認ください。
(2025年4月時点:生ワクチン/乾燥弱毒生水痘ワクチン「ビケン」 4,000円、組換えワクチン/シングリックス 10,000円×2回 など/免除制度あり)
日常生活で気をつけること
帯状疱疹はワクチンで予防が可能です。ワクチンには複数の種類があり、接種回数や接種条件が異なります。接種希望の方はご相談ください。
- 水ぶくれをつぶしたり、強くこすったりしない
- 清潔を保ち、患部は必要に応じて覆う
- 痛みが強い場合は我慢せず相談する(痛みのコントロールが重要です)
よくある質問(FAQ)
Q1. 帯状疱疹は自然に治りますか?
軽症の場合でも自然に皮疹が治まることはありますが、治療をせずに放置すると痛みが強くなったり、帯状疱疹後神経痛などの後遺症が残るリスクがあります。
症状が疑われる場合は、早めに皮膚科を受診することが大切です。
Q2. 痛みだけで発疹がないのですが、受診したほうがよいですか?
はい。帯状疱疹では、発疹が出る前に痛みや違和感だけが先に現れることがあります。
体の片側だけにピリピリ・ズキズキする痛みが続く場合は、発疹がなくても早めの受診をおすすめします。
Q3. 仕事や学校は休んだほうがよいですか?
症状の程度や部位によります。
痛みが強い場合や、発疹が広範囲にある場合は、無理をせず休養をとることが回復の近道になることがあります。
また、水ぶくれがある間は、水ぼうそうにかかったことのない方への配慮も必要です。詳しくは診察時にご相談ください。
Q4. 帯状疱疹のとき、お風呂に入っても大丈夫ですか?
全身状態が安定していれば、シャワーや入浴は可能なことが多いです。
ただし、患部を強くこすったり、水ぶくれをつぶしたりしないよう注意が必要です。症状によっては入浴方法の調整をお願いすることがあります。
Q5. 一度かかったら、もう二度と帯状疱疹にはなりませんか?
一度発症しても、再発する可能性はあります。
そのため、再発予防や重症化予防として、状況に応じて帯状疱疹ワクチン接種が検討されることもあります。接種の可否については医師にご相談ください。



