ニキビ(尋常性ざ瘡)の原因と治療について
ニキビは“尋常性ざ瘡”(じんじょうせいざそう)という名称があります。顔、背中、胸などにできやすく、10~20代だけでなく、大人ニキビも増えており、日本では90%以上が経験するといわれます。すぐに治ってしまう軽いものから、ニキビ痕として跡を残してしまうものまであります。
ニキビの種類と症状
ニキビは段階ごとに悪化していき、大きく4種類に分けられます。
① 白ニキビ(閉鎖面皰)
ニキビの初期段階で、毛穴が皮脂や古い角質で詰まり、白く盛り上がって見えます。炎症はまだ起きていませんが、放置すると赤ニキビへと進行することがあります。初期段階での適切なスキンケアや治療が、悪化予防に重要です。
② 黒ニキビ(開放面皰)
毛穴が開き、詰まった皮脂が空気で酸化して黒く見えるニキビです。炎症や痛みはありませんが、見た目が気になることも。放置すると赤ニキビに悪化する可能性があるため、毛穴ケアや皮脂対策が大切です。
③ 赤ニキビ(炎症性丘疹)
赤ニキビは、毛穴に詰まった皮脂が悪化し、炎症を起こした状態です。赤みや腫れ、痛みをともなうことも多く、放置すると悪化しやすいため、早めの治療が大切です。
④ 黄ニキビ(膿疱)
赤ニキビが悪化し、膿を伴う重度の炎症。放置するとニキビ跡が残る可能性もあるため、早期の治療が重要です。

ニキビの原因と悪化要因
- 皮脂の過剰分泌:ホルモンやストレス、食事が関与
- 毛穴の詰まり:古い角質・汚れが原因
- アクネ菌の増殖:炎症の引き金に
- ホルモンバランスの乱れ:月経・ストレスなど
- 誤ったスキンケア:洗いすぎ・摩擦など
ニキビの原因と悪化要因
ニキビの症状に応じて、以下のような治療法があります。
一般的なニキビには、皮膚に塗る外用薬(塗り薬)を使用します。これらの薬は、アクネ菌の繁殖を抑える抗菌作用や、皮脂を乾かす効果があります。 炎症を繰り返すしつこいニキビには、毛穴の詰まりを取り除く「ピーリング作用」を持つ塗り薬が効果的です。
治療法 | 内容 |
---|---|
外用薬 | 過酸化ベンゾイル・アダパレン「エピデュオゲル」などを使用 |
内服薬 | 抗生物質・ビタミン剤など |
レーザー治療 | 炎症抑制やニキビ跡の改善 |
ケミカルピーリング | 古い角質を除去し、毛穴詰まりを防ぐ |
ニキビは放置せず、種類や原因に合わせたケアが大切です。こすぎ皮ふ科では、保険診療・美容皮膚科(自費)の両面から、患者さま一人ひとりに合った治療をご提案しています。
よくあるご質問(FAQ)
Q. なぜ思春期にニキビができやすいの?
思春期はホルモンの分泌が盛んで、特に皮脂分泌を促す男性ホルモン(テストステロン)の影響で皮脂が過剰になります。このため毛穴が詰まりやすくなり、ニキビができやすくなるのです。
Q. 大人でもニキビができるのはなぜ?
月経前、妊娠中、更年期などホルモンバランスが変化するタイミングで皮脂分泌が不安定になるためです。化粧品やストレス、薬剤など外的要因も関与します。
Q. ニキビ跡を残さないためには、どのような対策が効果的ですか?
ニキビは、炎症が進行すると跡が残ってしまうことがあります。できるだけきれいに治すためには、早めのケアが重要です。まずは毎日のスキンケアを見直し、洗顔は肌をこすらずやさしく行いましょう。そのうえで、しっかりと保湿を行いましょう。 皮膚科では抗炎症作用のある塗り薬などが処方されます。 早期のケアと適切な治療が、跡を残さず治すカギです。気になるニキビがある場合は、お早めにご相談ください。