こすぎ皮ふ科

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爪白癬(爪水虫)

爪白癬(爪水虫)とは?

爪白癬は、爪に白癬菌(いわゆる水虫菌)というカビが感染し、爪の色が白く濁ったり、爪の厚みが増して変形したり、爪がもろく崩れやすくなった状態のことです。痛みやかゆみを伴わないために放置されやすいのですが、症状が進行すると爪の変形による痛みから歩行に障害をきたす場合があります。
また、感染した爪の中には大量の白癬菌が存在するため、頑固な足白癬(一般的な水虫)の原因になったり、家族内で水虫の感染源になる可能性もあります。

爪水虫の原因

爪白癬(爪水虫)の原因は、白癬菌というカビ(真菌)が爪の内部に侵入して増殖することです。白癬菌はケラチンというたんぱく質を栄養源としており、爪にはケラチンが多く含まれているため、菌が増殖しやすくなります。

爪白癬の原因としては、次のようなことが考えられます。

  • ・足白癬を放置しているうちに白癬菌が爪に移動して発症するパターンがほとんどです。
  • ・靴下や靴が蒸れたまま履き続けると足白癬になりやすく、その後爪白癬になります。
  • ・白癬菌に皮膚や爪が触れることで感染します。直接触れるだけでなく、物を介して間接的に触れることでも感染します。
  • ・高齢者は寒い時期、寝ている間も靴下を履くなど、1日中足の湿度と温度が高い状態になっていたり、足の清潔が十分に保てなかったりすることが多くなるため、爪白癬になりやすいと言われています。

爪白癬の症状が進行すると、爪の先の方から変色が起こり、次第に厚くなるなどの変形も伴っていきます。爪が濁る原因は爪白癬以外にもありますので、白癬菌の有無を検査で確認することが最も重要です。

爪水虫の診断

診断について 爪白癬が疑われた時は、あやしい症状のある爪の一部を切り取ったり、削ったりしてその中に白癬菌が存在するかどうか顕微鏡で検査します。 顕微鏡で見ただけではっきりしない時には、培養検査といって白癬菌が発育しやすい培地に切り取った爪の一部を植え付けて菌の発育を確認する検査を行います。
爪が変形したり、白濁したり、分厚くなったりすると、爪水虫ではないかと心配になって当院を受診される方もおられますが、爪水虫ではない場合も多くあります。特に特に足の小指の変形はぶつけたり、踏まれたりといった外傷性で起こることが多く、爪水虫でないことが多いです。

そのほか、爪の変形を伴う疾患は、尋常性乾癬、手湿疹、掌蹠膿疱症、円形脱毛症に伴うもの、甲状腺機能低下症、糖尿病、薬剤による爪変形、爪甲異栄養など多数あげられます。

  • ・今まで水虫になったことがない。
  • ・手の爪だけに症状がある。
  • ・すべての爪で同時に変形が起こってきた。

という場合は、爪水虫でない可能性がきわめて高いです。
まずは、ご自身で診断せずに、当院までご相談ください。

爪水虫の治療

爪白癬の治療には抗真菌薬(白癬菌などの真菌を壊死させる薬)が用いられます。
抗真菌薬には飲んで治す内服薬と塗って治す外用薬の2つがあり、内服薬と外用薬を併用することはできません。

内服薬

当院では、爪の白癬菌を殺菌する作用を持つ内服薬ネイリンを処方しています。
ネイリンは飲んでいる期間だけ効く薬ではなく、12週間内服することによって有効成分が爪の中に蓄積し、その後も効力を発揮し続けるというものです。そのため、内服終了後もさらに12週間は治療効果が現れるのを待つ必要があります。なお、この合計24週間の間は爪白癬治療用の外用液を併用することはできません。内服開始前と内服開始後に副作用チェックのための採血を行っています。

外用薬

当院では、クレナフィンやルコナックという外用薬を爪に直接塗るお薬を処方しています。クレナフィンはマニキュア型、ルコナックはマーカー型をしており、爪全体や根本、皮膚との境目にも薬液が行き渡るようにくまなく塗布していただきます。どちらも塗りやすい形状をしています。

内服外用剤
ネイリンカプセル
イトラコナゾール(イトリゾール)
テルビナフィン(ラシミール)
クレナフィン
ルコナック(ルリコナゾール)

爪水虫の予防

足や爪の水虫を患っている人からはがれた皮膚には、白癬菌が存在しています。そのため、白癬に感染した患者と同じバスマットを共有したり、素足で同じ場所を歩いたりすると、白癬菌が家族にうつる可能性があります。
白癬菌が散らばった環境では、少なくとも1ヶ月間は生存することがあります。
家族に感染者がいる場合は、家庭内感染を防ぐために一緒に治療を行うことが重要です。

白癬菌に感染しないための対策として、以下の点に気を付けましょう。

  • ・バスマットやスリッパなどは家族と共有せず、定期的に洗濯することが大切です。白癬菌がバスマットに付着して住み着くことがあるため、こまめな洗濯と家族間での共有を避けることが感染予防に役立ちます。
  • ・多くの人が利用する場所に行った後は、足をよく洗いましょう。温泉、スポーツジム、プール、サウナ、病院などのスリッパや体重計などは特に注意が必要です。
  • ・足の指の間や爪の周りもやさしく丁寧に洗うことが大切です。硬いブラシや軽石などで力強く洗うと肌を傷つけ、菌が侵入しやすくなるため注意しましょう。適切な洗い方で清潔を保つことが感染予防に有効です。
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